2005年12月25日
施工業者を決めるひとつの目安
建築工事でも土木工事でも基本的に同じと思いますが、施工した物の端部・取り合わせ部分がきっちり出来ている業者さんは実力があると判断できます。
もともと端部・取り合わせ部分は設計でうまく表現しきれない(設計する気がない?)ところでもあります。なんとなく端部・取り合わせ部分の仕上がりは施工業者まかせが多いような気もいたします。
実際、意外と端部・取り合わせ部分には、見栄えと経費に影響する要素が潜んでいます。その部分の施工に失敗すれば他の部分がきれいに出来ていても それを台無しにしてしまったり、クレームの原因になったりもします。また手直し工事などが発生すれば、いらぬ経費もかかるし完成が遅れてお客様にご迷惑をかけることにもなります。
端部・取り合わせ部分がきっちり施工できる業者は、常に完成イメージを意識しながら現場を運営できるスタッフがいて、概ね施工能力(管理も含む)がそこそこ高いと判断できます。お客様の施工業者選定のひとつの目安になるのではないでしょうか。ほんのちょっとした所に実力が出ると思います。弊社自身も他社に施工の協力をお願いする場合の目安にしています。
写真は土木現場のコンクリート擁壁の1例です。この場合はいかに元の地山にうまくとりつけるかに留意しています。 土質や掘削深にもよりますが、端部を余分に掘らないようにできるだけ急な角度で掘ります。とにかくムダに掘らないということです。
上のように掘削して施工しますと、出来上がりは下の写真のようになります。不必要に掘っていないので、構造物の取り付き具合がよい感じになりました。たまに擁壁の端部に石などを積んでいるものを見かけます。いろいろな理由が考えられますが、見栄えとしてはよくないと思います。
それに取り合わせの石積の経費は工事費のどこにも反映されません。手間はかけたがお金はゼロということです。正直な話うまくいかない時もありますが、常に端部・取り合わせ施工にはこだわりたいと思っています。