・・・・・災害関連緊急治山

2005年12月16日

災害関連緊急治山工事・完成検査完了後の雑感

 災害関連緊急治山工事の完成検査が完了いたしました。最終評価はまだですが、とりあえずほっとしております。担当主任も今日は早く帰ると言っていました。お疲れさまでした。

 検査についてですが、現場検査はほぼ今までと同じですが書類検査等の状況が変わってきました。工事成績評定のチェックリストに基づき淡々とおこなわれていきます。聞き取りと記録文書の確認の連続です。減点方式なので、説明できなかったり記録文書を提示できなければ点数は減っていくだけです。

 弊社の担当主任は「まるでISO監査のようだった」と感想を述べておりました。もちろん、それは検査(監査)の形態がISO監査のようだったということだけです。ISOと決定的に違うのは立場の違いです。ISO監査の場合は弊社が顧客で、監査機関が請負者の立場。ISOの認証がなくても建設業で商売はできます)でも工事完成検査の場合は当然のことながら立場は逆です。

 公共事業が減少していく中で、請負者の評価のひとつとして工事成績評定が行われ、今後の参考にされるわけですから緊張感が違ってきます。低い点数が続くと会社イメージ悪化は間違いないでしょうし、受注機会も今の状態よりさらに減っていくと思われます。売上げのほとんどが、公共事業というところも多いでしょうから、経営にダイレクトに影響してきます。

 ありがたい事に成績評定のチェック基準が公開されています。十分に対策を練れば(出来れば)高得点も可能ではないかと思っています。今回検査に同席して一番感じた事は、自社の検査対応者(現場代理人等)の説明力を強化する必要があるということです。現場はりっぱにこなせるのに、しゃべりがヘタという場合もあります。

 説明力と簡単に言ってしまいましたが、的確に相手に理解さす事のできる資料作りの能力 や わかりやすくしゃべる(まわりくどくない)能力とか 結構大変です。国交省では平成18年度より工事完了後の検査に必要な書類を現在の約半分にする方針らしいですが、説明資料作りがかえって増えるかもしれません。

 検査の最後に検査官の方が以下のように言われていました。「現場は表彰工事を狙えるほどきれいに出来ている。発注側として多いに期待をして点数を付けてみたら、平均点以下だった。なぜなら規定に基づいてチェックしていくと、確認できるものがないため殆ど減点になってしまった。評価の基準が変わったからだ」と。要するに現場がどんなにきれいでも、それだけでは評価してもらえない、評価点が上がらないということです。

 どのうような現場でもそうでしょうが、特に公共工事においては「現場さえきれいにできればよい」という時代は確実に終わったみたいです。弊社のような零細規模の会社の施工する工事も本当に状況が変わってきました。対応できない業者の淘汰・棲み分け(説明のいらない立場で工事するなど)が進んでいきそうです。



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2005年11月29日

山崩れ復旧現場 完成

山崩れ復旧現場(災害関連緊急治山工事といいます)が完成いたしました。工事の施工中は関係者の皆様にご配慮頂きまして、大変感謝しております。

着手前

治山工事とは、基本的には「山地災害の復旧・予防」と聞いたような気がします。「山を守る、山を作る」という意味でしょうか。山崩れ復旧現場 もうすぐ完成でも紹介した着手前写真です。この箇所が下の写真のようになりました。

 

 

下1

下2

 

 

 

 

施工範囲の最下流部分から上流側に向かって撮影したものです。水路も整備され、不安定な斜面が安定しました。写真の白いものは、植生シートです。来年の春が終わる頃には草が生え緑色になります。そういえば、「周囲に馴染んで最後には施工箇所がわからなくなるのが治山工事です。」発注者の監督さんも言われてました。

山腹工3

この写真は上流側より下流側を撮影した着手前写真です。土木現場 運搬の苦労1で紹介した写真です。この箇所も下の写真のように変わりました。

 

 

上4

上3

 

 

 

 

台風の出水により荒れた部分が整備されました。変われば変わるものです。一番下のコンクリート擁壁から下流側を見た写真と斜面の1/3くらいのところから下流側を見た写真です。

上2

上1

 

 

 

 

これは斜面の2/3くらいの高さから見た写真と一番頂上から見た写真です。工事箇所の一番高い所と低いところの標高差は94.0mです。この高さを数ヶ月歩いたわけです。正直疲れました。

最後に弊社現場代理人 W主任のコメントです。 (今井の技術者もどうぞ)

 今まで建築工事、下水道工事がほとんどだったので最初は非常に戸惑いました。社内の同種工事経験者や発注者監督に教えてもらいながら、なんとか工事完了する事ができました。工事を通して一番感じたのは、やはり物の運搬についてです。このブログでも紹介しています。

 「基本的に車が走れる道がありません。資材、重機等は全てワイヤーで運びます。重機は結構重たいので、バラして施工箇所に運び、再度組立てます。これはどういう事かと申しますと、平地の現場で簡単に出来ることに時間がかかり、且つあぶないということです。材料ひとつ施工箇所に搬入するにも、ワイヤー運転手・材料を荷造りする人・荷下ろしする人の3名程度が必要になります。」

 今現在は工事完了しただけです。本当の完成は完成検査を受け発注者に引き渡しが完了した時になります。完成書類や工事成績評定等、気になることが一杯ですが最後までしっかりやりたいと思っています。最後に、どちらかといえば危ないこの現場で、無事故で工事完了出来た事は本当によかったです。



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2005年11月04日

山崩れ復旧現場 もうすぐ完成

 昨年の台風で崩れた愛媛県西条市丹原町の山崩れ復旧現場がそろそろ完成致します。この現場は前に 「山くずれ復旧現場」 や 「土木現場 運搬の苦労1 」 で紹介したところです。

着手前

ほぼ完成

 

 

 

 

 同じところから撮影した現場の着手前写真(左)とほぼ完成写真(右)です。左の写真の中央の谷のところにあった土が台風の雨で流れ出し、付近の民家や畑に被害を与えました。このままでほうっておくと、また大雨などで被害を出すおそれがあるので右のような復旧工事を施工したわけです。

 地元住民のかたも「これで安心」と喜んでくれています。写真を見てお分かりと思いますが、本当に大丈夫な感じで一杯です。世間的には「公共工事=ムダ」という風潮を感じますが、このようにもの凄く意味のある工事も多いのです・

 私は無事に完成しつつある喜びとまた一つ「かわいい現場」ができてうれしく思っています。そう言えばこの話も前にブログにて記事にしました。 「現場はかわいい」 です。



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2005年09月16日

土木現場 運搬の苦労1

 土木現場の運搬(材料など)に苦労しています。写真は山崩れ(昨年の台風による)復旧現場です。この現場のメインの運搬手段はケーブルクレーン(ワイヤー)です。荒っぽいロープウェイをイメージしていただければよいと思います。ケーブルクレーンの最大の難点はそのワイヤー線下しか材料が下りないところにあります。普通クレーン車は好きなところへ材料を下ろせます。だったらクレーン車を配置すればよいではないかと言われそうですが、山の斜面なので車が進入できません。ケーブルクレーンしか設置できない現場だということです。これがいろいろな苦労を発生させてくれます。

山腹工1

8月末の現場状況です。基幹のコンクリート構造物が完了し、その間を水路でつなぐ工事の段階に入りました。水路のわきを埋め戻す土もちゃんと置いてあります。

 

 

山腹工2

ところが9/6に台風14号がやってきました。そして見事に土を流出させてくれました。施工中の構造物に被害はなかったのですが、使用予定の土がなくなってしまいました。これは、作業上大問題です。土を戻す手段がワイヤーしかないからです。ワイヤーでは土が線下しか下りません。想定外の人力作業が、かなり発生することになりそうです。人力とは要するに手作業です。手作業はすぐ疲れます。(機械は燃料あるかぎり、また故障しなければ動きます。機械はバテません) 疲れますから機械に比べて進捗が落ちます。現在その予想に対して、担当主任は懸命に対応策を考慮中です。

山腹工3

遠慮なく土を流してくれました。災害というものは、こちらの都合を全く考えてくれません。



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2005年07月08日

山くずれ復旧現場

土木現場紹介です。弊社の担当はW主任です。彼は土木・建築・管の全部を施工管理できます。すべて1級施工管理技士です。今回は土木現場で手腕をふるいます。

 着工前  

着手前です。昨年の連続台風により山の斜面がくずれました。写真で見ると迫力ありませんが、現場は急な箇所で45度以上の角度で崩れています。土木現場としては難度の高い部類に入ります。実際、山ですので施工箇所に到達した時はかなり疲れています。今の時期は特に息があがります。施工箇所に着いた時の最初の作業は水分補給と汗ふきになっています。

 

進捗1  コンクリートを打設中です。索道(太いワイヤーの道。簡易なロープウェイか?もちろん人は乗れません)でコンクリートを施工箇所まで運んで型枠に入れます。無線を使って作業します。

 

 

  解体 

 基本的に車が走れる道がありません。資材、重機等は全てワイヤーで運びます。重機は結構重たいので、バラして施工箇所に運び、再度組立てます。これはどういう事かと申しますと、平地の現場で簡単に出来ることに時間がかかり、且つあぶないということです。材料ひとつ施工箇所に搬入するにも、ワイヤー運転手・材料を荷造りする人・荷下ろしする人の3名程度が必要になります。

 

立会

   予定構造物が施工完了後、発注者による入念な出来形チェックとなります。立会・確認後、次の工程に進んで行くわけです。いわゆる手抜きは、できません。当たり前の話ですが、弊社は誠実・確実に工事を行っています。



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